電力自由化後の電気料金は値上げになる、値下げになる、どっちなの?

2015年11月に東京ガスが行った調査によると、

一般の人が電力自由化に期待することは「電気代が安くなること」が88.2%で、断トツの1位です。

電力自由化がスタートすると、電気代は本当に安くなるのでしょうか?

自由化すれば電気代が変化すると考えられている理由と併せて考えてみましょう。

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従来の電気料金

まず、現在の電気料金はどのようにして決められているのかを見てみましょう。

これまでは、将来の一定期間における見込み電力使用量と設備を想定し、燃料価格や設備費などの必要な原価に利益を加えた総括原価から、電気料金を算定してきました。

地域の電力会社は一地域に一社と定められ、半公共的な扱いで国の制度に守られながら、独占的な市場のもと、国の審査はあるもののほぼ言い値で電気料金が決められてきたのです。

競争原理の導入と値下げ

これまで一社独占状態だった電力市場に複数の企業がサービスを競い合う「競争原理」を導入することで、経営を効率化する必要があるとの考えのもと、電力自由化が進められています。

これを受けて、電力事業へは石油会社やガス会社、製紙会社などの大規模企業、通信会社や商社、電機メーカーなど様々な企業が新規参入を表明しています。

 

こうした他業種の企業の多くは、すでに収益部門を持っており、電力事業で新たな収益部門の獲得を狙うと共に、既存の事業とのシナジー効果に期待を寄せているのです。

このような企業では、電力事業単体ではそれほど収益が上がらなくても、顧客との結び付きや会社全体の収益を考えて、電気料金を低く設定してくることが考えられます。

なぜなら、このような状況下では、競合する既存の電力会社やその他の新電力においても、低価格への努力をしないわけにはいかなくなります。

 

より効率的な設備利用や不要な設備の廃棄などでコストカットを図るなどして、電気の価格を下げざるを得なくなるでしょう。

このような顧客獲得競争によって、高止まり傾向にある電気料金が安くなるのではないかと考えられているのです。

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値上がりの可能性は0ではない

上記のように電気料金の値下がりが期待されているのですが、ドイツやイギリスなど既に自由化を実施している諸外国では、実は電気料金は値上がりの傾向にあります。

海外の電気料金高騰の理由の多くは、燃料費の高騰や、再生可能エネルギーの買取費用が増大したことが主な要因ですが、こうした問題は当然日本でも起こる可能性があります。

現在、日本の電力業界には価格競争は存在しません。そのために価格が下がりにくい反面、国の審査のもとで大幅な値上がりも規制されている状態です。

電力自由化がスタートすれば、価格に関する国の規制がなくなります。

ただし、既存の電力会社は、少なくとも2020年まで規制料金でのプランも並行して提供することになっており、
当面は電気料金が急騰することがないように設定されています。

しかし、2020年以降どこかのタイミングで料金の規制が完全に撤廃されれば、国によってコントロールされていた電気料金は、それ以後は、需給のバランスで決定されることとなります。

そうなれば、競争によって安くなる可能性がある一方で、災害や天候、燃料費の高騰の影響を受けて上昇する可能性も否定できません。

自由化がスタートした当初は、顧客獲得のために各社が動き、料金は下がるだろうと見られていますが、それ以後長期的に低価格を維持できるかどうかは未知であるというのが現時点での展望です。

 

生きた電力市場は未知の領域

電力自由化によって電気料金が下がるという大きな期待を消費者は抱いています。

また、電力の価格の引き下げは自由化の狙いのひとつでもあります。

しかし、電力の分野で市場原理がどのように作用していくかの厳密な動きは、未来予知でもしない限りは未知だといえるでしょう。

とはいえ、現在の日本における家庭用電力料金は諸外国よりも高く、値下げの余地も充分にあります。

当初の狙い通り電気料金が下がり、その状態を維持してほしいと願うばかりです。

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